榊原秀剛 司法書士事務所

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2006年11月26日 (日)

成年後見な人々 3、ご親族の人(1)③

 咲枝さんは、目を伏せながらさらに話し続けた。

「ほんとに信じられないことですが、ちょっと知り合った方に、預金通帳一冊全部あげてしまったり、いえ、ほんとのことなんですよ・・・。それに、それだけじゃございませんで、ちょっと、変な癖もでましてね」

「癖とおっしゃいますと?」

私の問いかけに咲枝さんは恥らうような表情を見せた後で

「まあ、このことは、おいおいお話しいたしましょう」

と、さえぎった。

「まあ、ここまでですと、本人を病院にでも入れてしまえばそれですむんでしょうが、一番私が、困っておりますのは、妹の息子のことでございまして・・・」

 咲枝さんの顔がさらに曇った。

 彼女によると、清美さんには、40歳を超えた息子がいるが、問題なのはその息子が、咲枝さんのことには無関心で全く手を差し伸べないことだという。実は彼が結婚しようとした矢先に父が死に、母が発病したものだから、縁談がながれてしまったという。それも影響しているのかもしれないが、無関心だけならまだしも、どうやら、清美さんの財産を使い込んでいるように思われる。息子は、亡くなった父の七光りで就職したが、特別稼ぎのいいサラリーマンというわけではなくて、給料も世間一般だし、父の遺産は遺言ですべて妹にいったはずなのに、高級外車を乗り回しているのはどうも理解できないという。

「こういう場合にもお力を貸していただけると、妹がお世話になっています病院の福祉に方にお聞きしてそちら様にお電話した次第でしてね・・」

咲枝さんが私の所属するリーガルサポートの電話相談にかけてこられ、そして私が派遣されたということであった。

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